パットガパオ(ガパオライスの上のやつ)
ソムタム(パパイヤのサラダ)
タイ人がやってるタイ料理屋さんで晩ごはん。
日本人に媚びない、タイそのまんまの味付けが辛いのなんの、
舌の先がヒリヒリしてビール飲みまくったけれど、
うんでもやっぱ本場の味の方が全然うまい。
僕ら以外は店員も客も全員タイ人で、ほんとタイに来た気分。
「なんか、また行きたくなっちゃったね」
「そうね、今年の正月はタイに行くかい?」
あおぞらのあお。
やまのみどり。
つちのちゃいろ。
都会とはぜんぜんちがう色。
なにげに、
ふたりで井上陽水の「少年時代」を口ずさむ。
都会育ちだけど、なんかどっか懐かしい。
金沢から車で小一時間。
「白川郷なんてどうせ人がうじゃうじゃなんだから、ツウは五箇山なわけよ」
ごはんの写真を撮る相方。
これは完全に僕の影響。
僕はインスタやこのブログにアップするんだけれど、
そういうのをやっていない相方は、
ただ撮って、おしまい。
メモリの肥やし。
「のわっSDカードいっぱいやて」
「ほら、言わんこっちゃない」
ほんとうに相方はこうゆう細々した土産物をよく買う。
僕は、
「それはもったいなくない?」
「実際、家にあっても使わんでしょ?」
などと、ついつい言いたくなるのだけれど、
せっかく機嫌よく買い物してるのだからと、
じっと我慢している。
和紙づくり体験。
ほんとは、蕎麦打ち体験したかったけど、
予約でいっぱいだって。
「ほら、俺の勝ち」って何基準!?
テレビのロケやってました。
中継が回ってきて、
キムタック(フジのアナウンサー)が、急にテンションMAX。
「さすがプロやな」
「人がオンオフ切り換える瞬間て、なんかこわい…」
土筆(つくし)をみたのはいつぶりか。
夕方になって、観光客がほとんどいなくなった。
これが本来の五箇山の姿なんだろうな。
僕「うおおお!煙草吸いたいっ!!」
相方「我慢なさいわっ!!」
(五箇山は全面禁煙なのです)
このGWのさなかに、よく宿がとれたもんだ。
Agodaで最後の一室だったし、
たまたま運よくキャンセルが出たんだろう。
そんなわけで、世界遺産に宿泊。
世界遺産に宿泊って、この響きがいい。
お世話になった民宿。
おかみさん、めっちゃいい人だった。
ごはんは美味しいし、
合掌造りで雰囲気あるし、最高の宿。
囲炉裏でイワナを焼く。
なんか、ほっとする。
この歳になるとね、
人はひとりじゃ生きられないってのがよくわかる。
なんか最近しんどかったんだ。
仕事とか、親の面倒とか。
だから、相方が隣にいてくれることが、
すごい心強くて、
あのときも、あのときも、あのときも、
迷ったけど別れなくてよかった。
そんなことを思ったゴールデンウィークだった。
ふたりで行った場所、
ふたりでまだ行ってない場所。
電車の旅は、谷村新司のJRのCMを思い出す。
僕らもそのうちCMの老夫婦みたいになって、
むかし行った場所を旅するんだろうか。
「そういえば金沢にはまだ、行ったことなかったよね?」
僕がそう言うと、相方が指先をパチンと弾いた。
近江町市場は人でいっぱい。
新幹線効果なんて言うけれど、もしそれが本当なら新幹線ってやっぱりすごい。
完全に街のキャパシティを超えている。
鮎なんて昔は苦くて食べられなかった。
いまは、この苦みがたまらない。
相方と出会って、食の好みも変わった。
おおげさかもしれないけれど、世界が広がったと言っていい。
ガイドブックにも載っていない神社で、願いごと。
ふたりの今のこの生活が、いつまでも続きますように。
想像する。
僕らはどこまでいけるんだろうか。
いつまでも続くような気もするし、案外、唐突に終わるような気もする。
「ごめん、ほかに好きな人ができたんだ」
そんなことを言われる日が、いつか来るんだろうか。
幸せを得るということは、失う怖さと戦うということでもある。
尾山神社。
ガイドブックには「利家とまつ」ゆかりの神社だって書いてあった。
僕らはドラマを見ないから、よくわからないんだけれど。
おみくじ引いたら末吉だった。
「納得のいかないことも多いが決してくさらずに根気よく」
金沢といえば寿司なんだそうだ。
回らない寿司、ランチひとり3千円也。
「思い出はプライスレス」というコピーは最強だと思う。
相方は「ちがうちがう、寿司はこういうふうにして食べるんだよ」と、
講釈をたれる人なので困る。
「うっせえ、オレはシャリにどっぷり醤油をつけるのが好きなんだよっ」
21世紀美術館は2時間待ちだった。
長蛇の列に並んでる人を見ていたら、「あいつらバカだなー」と思った。
相方も「あいつらバカだなー」ってつぶやいた。
というわけで完全にめげて、外側の無料のエリアのみ散策。
アートなんて、「そういうのが好きな自分」に酔いしれるものだ。
こんなに人がいっぱいじゃ、酔いしれることなんてできやしない。
兼六園に来ましたよー。
兼六園に来たのは学生の頃だったかな。
大学の友人と来たような気がするけれど、もう20年も昔の話だし、
ぼんやりとしか記憶しかない。
記憶ってやっぱり薄れていく、びっくりするくらい着実に。
庭そのものは、あの頃と何も変わらないはずなのに、
全然ちがって見えるもんだなあ。
季節とか、年齢とか、一緒にいる人とか、そういう二次的要素で。
「このぎんなんのお菓子が美味いんだよ、ほら食ってみ、ほら」
「んー、まずくはないけど」
「なんでわからんかなあ、この美味さが」
こういう街を歩いているとよく思うんだけれど、
世の中は変われ変われ、変わることはいいことだ、
みたいなムードがあるけれど、
変わらないことのほうがよっぽど難しいし、努力のいることだと思うんだけどなあ。
ふふっ、
主計町(かずえまち)の割烹を予約してたんですよ。
ふたりでネット見ながら、あーでもない、こーでもないと、
2時間かけて探し出したお店です。
「おばあちゃんの家に来たみたい」なんてよく言うけどさあ、
みたいな話をしていたら、
新しく入ってきた客がそっくりそのままそう言っていて笑ってしまった。
幸せ、てのはやっぱり、
パートナーでも子供でも友人でも、それは人それぞれなんだろうけれど、
ちゃんと大切な人がいて、その人とごはんを食べてる、
そういうときにじんわり溢れてくるものだと思うわけです。
つまりポイントは、ごはんだと思うわけです。
酒があればなおさらです。
僕は、ほろ酔いのときの相方がいちばん好きだ。
うひひひ、と、品のない笑い方になる。
そして「聞いて聞いて!」が口癖になる。
僕がいちばん、知っている。
流しの下を片付けておりますと、
土産物の「余り」の多さにびっくりします。
お茶、インスタント麺、お菓子、スープなどのペースト。
そしてそのほとんどが相方の買ってきたものです。
その時は、
これ食べたい、これ飲みたいと言って、
あれやこれやと買ってくるのですが、
帰って来てそのまま忘れ去られ、
流しの下の肥やしとなり、
やがて賞味期限が切れてゴミ箱行きという運命を辿るわけです。
相方の買い込み癖は、
いまだに僕が理解できないもののひとつです。