仕事から帰ると、すでに相方は布団で眠っていた。
きのう徹夜仕事だったから、よっぽど疲れていたんだろう。
その背中を眺めながら、
やっぱり僕はこの人のことが好きなんだな、と改めて思った。
そう、これはただのノロケ話。
出会った頃から「運命の人」というわけじゃなかった。
最初は同時進行で付き合ってた。
その二十何年も前の昔話を、今でも茶化されるのだけれど、
それくらい軽い付き合いだった。
けれど時を経ていくうちに、いつのまにか、
相方以外の選択肢はないんじゃないかと思うようになった。
時間が僕らを育てたと言えなくもない。
むろん運命なんて、振り返ってみて初めてわかることだし、
一応、現在進行形の僕らなので、今を以てしても、
「運命の人」かどうかなんて、まだわかるはずもないのだけれど、
ただの思い過ごしかもしれないけれど、
ややもすると二人は運命なのかもしれないと思っている。
そして相方も同じように思っていてくれたら嬉しい。
あまり自信はないけれど。
もちろんこんな話は重すぎるから、相方には言わない。
愛しすぎないように、愛さなさすぎないように、
軽いノリで付き合っていければいい。
けれど今夜は、
相方の寝息を聞きながらひとり過ごす夜なので、
なんとなくこの場所に、この気持ちを書き記しておこうと思う。