焼肉を前に沈黙するふたり。
といっても険悪な雰囲気でも、ましてや喧嘩したわけでもない。
ただただ、お互いに仕事で疲れ果て、話をする気力も体力も残ってなかった。
ま、そんな日もあるわな。
焼肉を前に沈黙するふたり。
といっても険悪な雰囲気でも、ましてや喧嘩したわけでもない。
ただただ、お互いに仕事で疲れ果て、話をする気力も体力も残ってなかった。
ま、そんな日もあるわな。
ゲイバーで酔っぱらうと色をこきはじめるのは、僕の悪い癖だ。
タイプの子が隣に座れば、かわいい、かわいいと誉めちぎって、
そのうち相手が身を寄せてきて、
僕の太ももなんかに触れてきたりなんかして、
カウンターの下で他の客にバレないように手を繋いだりして、
そして、わざとちょっと時間をずらして店を出て、
そしたら、その子がエレベーター降りたビルの前で待ってたりして、
僕は泥酔したふりをして、
暗がりで抱きしめて、キスしまくって、
けれども、そこからどうしたものかいつも悩む。
べつにエッチしたいわけでもないし、
そもそも酔っぱらって勃たないし、
LINE交換してまた会いたいわけでもない。
要するに、酒の席のベタベタな疑似恋愛が好きなだけなのだ。
というわけで、この週末、
相方さんが不在というので余計にハメを外しすぎ、
年甲斐もなく汚い飲み方したナァと、只今絶賛後悔中。
タイ出張から帰って来たかと思えば、
次の日、今度はベトナム出張に出て行った。
ったく、忙しいお人だ、相方は。
続くひとりの夜は、僕に遠距離だった頃を思い出させる。
ただ相方に会うために、必死でお金を貯めて、
2泊3日弾丸でバンコクに行ったこともあったっけ。
スワンナプーム空港の到着ゲートを飛び出して、
そこには真っ黒に日焼けした相方が笑っていて、
その真っ黒さがあまりに黒すぎて、可笑しくなって泣き笑った。
10年前のこと。
いまは、一緒にいることがあたりまえで、
それに慣れてしまって、
ときにはぞんざいな態度になることもあるけれど、
いつまでも、あの頃の気持ちを忘れずにいようと思う。
あの経験をしたからこそ、
僕らはきっと強く繋がっていられるはず。
鬼のいぬまに、流しの下の大掃除。
賞味期限をとっくに過ぎた調味料。
賞味期限をとっくに過ぎたインスタントコーヒー。
賞味期限をとっくに過ぎたどっかのお土産のお菓子。
相方がいると、
それまだ食えるんじゃない?
賞味期限はだめでも消費期限はきっと大丈夫(根拠ナシ)、
なんてイチイチ言ってくるので、
これを機会に全部捨てたった。
もったいないとは思うけれど、
さすがに一年前が期限のドライフルーツとか、そのレベルやから、
そら捨てるべきでしょ。